内閣府の『男女共同参画白書』が閣議決定されました。300ページ以上にわたる分厚い資料から見えてきたのは、変わり続ける“家族の姿”です。
野田男女共同参画担当大臣:「『もはや昭和ではない』、雰囲気や印象論ではなく、実態として国の骨格が変わったということ。人生100年時代を迎え、女性の半数以上が90歳まで生き、離婚件数は、結婚件数の3分の1に上り、50歳時点で配偶者のいない人の割合が、男女ともに約3割に達するなど、家族の姿や人々の人生が大きく変化・多様化した実態をエビデンスに基づき明らかした」
例えば、20代男性の約7割、女性の約5割が『配偶者や恋人がいない』と回答。また、『これまでデートした人数』については、20代独身男性の約4割が『ゼロ』と回答しています。
この結果に対する街の声です。
20代男性・独身:「こんなにデートをしたことがない男性がいるのを初めて知った。昔に比べてコロナやネットの普及で減ってきているのかな。少子高齢化がもっと悪化して、子どもがいない時代になるのかな」
18歳男性・独身:「若い人の数がすごい減っているので、もっと移民を受け入れて、海外の人と結婚するのも当たり前という風潮になったら、結婚する人も増えると思う」
20代女性・独身:「男性で考えるといるかもしれない。デートしたことない人とか、女の子関係があまりない男性が、結構、多いイメージはある」
30代で『結婚の意思がない』と答えた人が、男女とも3割近くに上っています。
50代女性・独身:「一人で過ごすことが好き。いつか一人でいることが寂しくなると思って暮らしているが、仕事をもって生活に不自由もなく、むしろ健康であれば、一人の方が楽で、人と関わりをもってトラブルが起きることもなく、静かに暮らしていけて好きなことができるのが満足感になっている」
30代男性・独身:「結婚の意思はあるけど、今はいいかな。今、彼女がいないというのもあるけど。やりたいこととかももちろんあるし、結婚はだいぶ制御されることも多いと思うので、自分が今やっていきたい夢とか、目標の範囲が狭まる感覚があるので」
20代女性・独身:「ずっと一人暮らししているので、一人に慣れちゃった。誰かと一緒に生活するのは、いろいろ気をつかうじゃないですか。それはそれで面倒くさいなって。結婚願望はなくはないけど、急いではない。できればいいかなくらい」
◆結婚や家族の在り方は、どのように変わってきたのでしょうか。
『家族構成』について、1980年に最も多かったのは「夫婦と子ども」の世帯で42.1%。続いて多かったのは「3世代」で暮らす世帯で19.9%。「単独」の世帯は19.8%でした。2020年を見ますと、「単独」の世帯が最も多く38%。「3世代」で暮らす世帯は最も少なく7.7%でした。
内閣府が行った調査で「積極的に結婚したいと思わない理由」として、男女ともに多かったのが『結婚に縛られたくない、自由でいたい』『結婚するほど好きな人にめぐり合っていない』『結婚という形式にこだわる必要性を感じない』。男性で多かった理由には、『結婚生活を送る経済力がない・仕事が不安定』でした。
今回の白書では「もはや昭和ではない」と表現していましたが、どういうメッセージだったのでしょうか。白書の参考となった研究会の座長を務める中央大学・山田昌弘教授に聞きました。
中央大学・山田昌弘教授:今の税制・社会保障制度は、『男性が正社員で女性が主婦かパート、結婚したら離婚せずに一生を送る』という前提でできている。昭和の制度が、令和にうまくいくわけがなく、将来、こぼれ落ちる人はどんどん増えていく。正規・非正規雇用の待遇格差をなくし、どんな家族構成でも経済的自立ができるようにサポートすべき。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
コメント