弱者男性の人生|精神科医目線で語ります

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弱者男性の人生

00:00 OP
️01:02 「弱者男性」
04:38 どんな人生なのか
️09:42 常に競争している
️16:19本日の宿題

本日は「弱者男性の人生」というテーマでお話しします。

先日、女性の人生をテーマに動画を撮ったのですが、益田はいつも女の味方ばかりして男の味方はしないのか、というコメントが来ていたので、今回は弱者男性の人生について触れようかなと思います。

ただ男性の心理を僕は語るのがとても苦手なんです。
それは精神科医として女の人を診ることが多いというのと、動画の視聴者も女性が多くて、女性のコメントの方を相対的によく読んでいるので、何となく男性は苦手という思いがあるんですけど、でもやってみようかなと思います。

◾️「弱者男性」

「弱者男性」という言葉が一般化してしまいましたけど、男性の中の競争やヒエラルキー構造の中で負けてしまった人たちなんですよね、簡単に言えば。
負けてしまったという言い方は良くないかもしれないけど、でもやはりそういう風に感じてしまうというのは、本音と建前みたいなところもあるし、社会的に語られてたりもしますけど、やはりそういう側面はあります。

どうして男性社会の中でのヒエラルキー、競争で負けてしまうかというと、例えばHSP(医学用語じゃないですけど、繊細すぎたり敏感すぎたり)、発達障害の問題があって空気が読めなかったり、境界性パーソナリティ症やトラウマがあって、何となく人間に対する不信感があったり正しく相手のことを認知しにくい、そういうのがあった結果、弱者男性になってしまう。
競争で負けてしまう。

IQの問題、EQの問題、体力、バイタリティの問題で、そういうエネルギー、体力がない、バイタリティが弱いから負けてしまう。
相手の感情を読み取る力が弱いから負けてしまう。
IQ(知的な能力)の問題から、情報処理のスピードが遅いから、弱いから負けてしまう。
色々な要素があるんですが、とにかく色々な要素の組み合わせなんだけど、負けてしまう、負けがたてこんでしまうということはあるなと思います。

僕も自衛隊にいたのでわかります。
自衛隊は完全に階級社会ですから、階級があって、誰が出世するかというのが色々な面で見え隠れするような構造なので、何となくわかります。

そこである居心地の良さ、居心地の悪さというのがありますけど、人間が集団で何かをするときには、どうしてもそういう上下関係や、誰が責任をとるのか、誰がリーダーシップをとるのか、というのは明らかにしないといけない部分があるので「う~ん」と思いますけど。

ただ、そういう中で負け続けるということは心に傷を負います。
自尊心が傷つけられるし。
それだけじゃなくて、自尊心が傷つけられた上に意地悪までされますから。

ヒエラルキーの頂点と下位があったときに、上位層から下位層への攻撃はないかもしれないけど中間層から下位層への攻撃がありますから。
上位層から下位層はないかもしれないけれども、上位層から中間層への攻撃はありますから。

それは法律を違反しての嫌がらせから、そうではなくてマウンティングのような形で、嫌味かどうかわからない、でも何だかモヤモヤするなぁ、誰が悪いとは言い切れないような見下し方や攻撃というものを含めると色々あるので、そういうのがないと言えません。

◾️どんな人生なのか

じゃあこういう人たちはどんな人生なのかということですけど、子どもの頃は母親・父親との関係が全てで、でも「うちの子は…」みたいな感じで言われてしまうことが多いんです。
うちの子は育てにくい、うちの子はダメな子だ、もっと何とかしなければとか、逆に弱いから過保護になってしまう。
ここら辺もちょっとややこしくて、他の子と同じようにできないということが「何でできないの?」という形で親から言われてしまうことが多いです。

学童期になってくると、男の子同士の戦い、競争が始まっていく。
テストの点数、スポーツ、色々なところで、男の子は競うのが好きですから、基本的には。
そういう中で負けたり、自尊心を傷つけられたり、いじめのようなものが起きたりすると思います。
起きないことも多いですけど、発達の子などは気付きにくかったりしますけど、でもやはり何かあります。

思春期に入ってくると、何となくぼんやりした競争ではなく、ルールがある競争に移って来ます。
スポーツ、勉強、そういう競争に移って行く感じです。
ルールがフェアな分、より自分の負け感がわかりやすかったりするというのもあります。
ここも、自分はどうなんだろう、何なんだろう、なぜできないんだろう、ということで苦しんだりしていくという形です。

20代~30代になってくると、今度はモテるとか恋人を作るという話がだいたいメインかなという気がします。
あとは、どういう会社に勤められるのか、給料はどうなのか、ある程度10代~20代でグチャグチャだったものがかなり整理されて同じようなレベル感の人と集まるんですけど、でもそういう中で今度は対女性との戦いだったり、女性からやられちゃったり。

30代とか、ちょっと上の先輩との戦いになってきて、先輩から「あいつはダメなやつなんだ」と言われて女性の前で恥をかかされたり。
上司が自分の好きだった人を持っていってしまうとか。
そういうことがよくある年齢だなと思います。
この年齢だと転職をすることも多いので、転職で悩むというのもあるかなと思います。

30代~40代になってくると、今度は中間管理職になってきて悩んだり、育児の問題に悩んだり、奥さんから非難されちゃうとか。
何であんたはできないのよ、と言われてしまったり。
独身のままだったりすると、自分はなぜ誰も好きになってくれないんだ、ということで悩んでしまったりする。

女の人は女の人で、この男性のヒエラルキー構造を見抜いていますから。
よくお金を稼げる男の人がいい、と女の人は言うかもしれないですけど、ある種のヒエラルキー構造を女性は見抜いているので、その中でどういう男の人を選ぶかということですから。
イケメンだから選ばれるということではないんです。
ここも何か間接的に自尊心が傷つけられるという感じかなという気がします。

40代~50代になってくると格付けが進んでいくので、競争というよりは、その地位の死守ということになっていくのかなという気もします。
これも何か寂しいですよね。

その時になるとちょっと落ち着いて不倫をする人も増えてきたり、若い女性を望む人が出てきたりして、10とか20離れている人たち。
そうするとなんかこうロリコンなんじゃないかと揶揄されてしまったり。
40代、50代になったときに、若い子やアイドルが好きだとそういう風な言われ方をするというのもあります。

50代~60代ぐらいだとうまくいっていればいいんだけど、不要とされてしまう。
下が増えてくると年齢を重ねているだけだと、地位が高いだけだと、やはり不要という感じで老害扱いされたりする。

家の問題についても、思春期の子どもたちの気持ち、奥さんの気持ち、やはりEQが低かったりするとわかりにくかったり、男の人にはわかりにくい世界だったりするので、邪険に扱われてしまうことがあるのかなと思います。

60代、70代で自分の健康問題ということになるということです。

女性の人生に比べると、何かすごくシンプルな言い方になってしまうんですけど、こんな感じだなと僕は見ています。

◾️常に競争している

もちろん僕は言いにくい立場ではあるんです。
僕はある意味、弱者男性ではないので、彼らから妬まれたりするのが辛くて、上司からやられてしまうこともあれば、下から突き上げられることもあって。
僕も中間的な立場なので、相手の弱みを突っつくことができないし、歯切れが悪いんですけど、でも何かわかります。
それで傷ついてるというか。

僕らは僕らで常に優秀でなければいけない、勝ち続けなければいけない、弱みを見せられないということを強いられているというか。
弱みを見せてもいいんだよ、と言われるんだけど、見せた瞬間、寝込みを襲われるというわけじゃないけれども、やはりやられちゃうというのが、やはりなんとなく男の社会はそうだなと思います。

社長などトップの人間が弱さを見せた方がいいんだけど、見せ方を間違えると、寝首をかかれるというか、そういうのもあります。
それは上の立場でもそうだし。

男の人というのはジャンプを読めばすぐわかるんです。
どっちが強いのかということをずっとやってますよね。

もうちょっと頭が回ってくると、今度は誰と誰が味方なのか、誰の下につくのがいいのか、その人の下には気に入ってもらえるのか、ずっとこの権力争いと誰が強いのか、ずっとそればっかり考えてます。
本当にずっと考えているから、やはり70歳とか80歳になっても政治が好きだし、政治の世界に入りたいというか、政治的なことをやっています。
いつまでやってんだ、という話ですけど。

女性から見ると、いつまでやってんだ、という感じなんだけど、裏ではバカらしいと言っていて、でも言ってることとやっていることが違うじゃないかみたいな、いくつになってもそんな感じというのがあります。
動物だからそうなんでしょうけどね。
全ての行動原理は競争だなという風に思ってしまいます。

それから病気など色々あって離れてしまうと、競争の原理は自分には関係ないよと思うのかもしれないけど、そうするとやはり競争がみんな好きなので、みんな好きな中で競争に参加しないとよりやられてしまうので、苦しいということがあります。

★動画の文字起こしはこちらのnoteに【全文掲載】されています。
https://note.com/wasemenblog
(文字起こし自体がない動画もあります)

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